挨拶

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修努のお兄さんは、今日まで仕事のため留守だったけど、ご両親への挨拶を無事に終える事が出来て、私はほっとしていた。 その後、私は、修努の部屋に初めて入った。 子供の頃、修努は私の家に遊びに来てたけど、私は修努の家に遊びに行く事はなかったから、とても新鮮な気分。 ベッドと机と本棚のみのシンプルな部屋。 本棚には、昔使ってたと思われる参考書や問題集が並んでいる。 「ふふっ アイドルのポスターとかはないんだね。」 私は、修努とベッドに並んで腰掛けて、部屋を見回す。 「昔から、そういうの、あんまり興味ないん だ。 アイドルよりかわいい子が、ずっと側にいた からかもね。」 修努は私の腰に腕を回した。 私は、さっきの会話で気になってた事を聞いてみた。 「ねぇ、中学の頃の問題って何?」 「いや、それは…」 修努は言い淀む。 「何? 言えない事?」 「言ったら、絶対、のどか、引くし。 のどかに嫌われたら、俺、もう生きてけない し。」 そんな心配をしてうろたえる修努がかわいくて、私は修努の頬に手を伸ばした。 「そんな子供の頃の事で、嫌いになったり しないよ。 私はこうやってうろたえてる修努も大好き なんだから。」 「え!?」 「修努、だいすき。」 私はちゅっと軽く触れるだけのキスをした。
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