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1day dating
>>4 1 day dating
「ー… …というわけで矛盾が生じるため、背理方により全単射が」
あー… …
意味不明。
ゆかりはノートに変な怪獣を落書きして遊んでいた。
できることも無く、やりたいこともなく、ただ遊びたかったから大学に入った。
確かに自由な時間は沢山あるが、勉強はとてつもなくだるい。
(そもそも小学時代は国語4、の他教科全部3、中学も赤点いっぱい取った私ってどうよ… …)
私は自分の頬をつねりながら、怪獣の口から火を吐かせてみた。
「なんだこれ、ワニ? 」
気がついたら私のノートは何ものかによって奪われていた。
横を見ると、そこにはいわゆるモブキャラがいた。
「ワニじゃないよ、怪獣だよ」
「まじで!? お前絵下手くそだな」
そう言って笑いながらそいつは私の目の前にノートを置いた。
(どうせ下手くそですよ)
ー家に帰ったら、今日も小説書こう
そう思って、私は窓から外を眺めた。
◇◇◇
難しいな… …
ここをどう表現したら上手くいくんだろう
言葉がわからない
辞書を読む。
やっぱりわからない。
「あー!!」
大体… …なぜ私は恋愛小説を書こうと思ったんだろうか… …
恋愛なんてしたことがないくせに。
私は途中まで小説を書いた紙をぐちゃぐちゃに丸めて捨てた。
◇◇◇
ピンポーン
チャイムがなる。
私は立ち上がって玄関を開けた。
「やっほーゆかり! ケーキもらったからおすそ分けしに来たよ、一緒に食べよ!ーって、ゆかり!? 」
「ーこんにちは、菜々ちゃん… …」
菜々は、ゆかりのものすっごい白い顔を見てポカーンと口を開けた。
「だい… …じょうぶ?」
「」
「ダイジョウブ… …」
ゆかりは菜々からケーキを受け取り、部屋へ案内した。
よし、ケーキを食べよう、と菜々が椅子に座って箱から取り出そうとすると、ゆかりは言った。
「ねえ… …菜々ちゃんって恋したことある… …?」
「え!? 恋!? 」
菜々は途端に顔を赤く染めた。
「ま、まあ… …高校生の時に1回だけ… …」
そして菜々はゆかりの入れたお茶を飲んだ。
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