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「いや!それより怪我とかは!?前の人とか大丈夫!?」
水晶が砕け散ったんだ。間違いなく破片が周りに飛んだはず。
「ご、ごめ…ん…」
そして見てしまった。目の前に朝の女の子がいるのを。
神様、残酷すぎやしませんか?あんな醜態晒した挙句に怪我させるなんて…
「安心していい。もしもの為に私が結界を張っていた。今まで役に立ったことの無いマニュアルだったが、使っていて良かった。」
言われてみたら、砕け散った破片が並んでいる机の前に一直線に並んでいる。
いや、ホント助かりましたよ先生。それが無かったら俺は退学待った無しだったよ。
「問題は君の得意属性だな…学園には同じ魔導師しか置いてない。方法が無いではないが…仕方がないな。訓練場に移動だ。続きはそこでやる。私は準備があるから先に行っていなさい。」
教室を出て行く前にため息を吐いていた気もするけど、見なかった事にしよう。
そして先生が居なくなった途端に周りからの視線が痛い…
そして先に行こうにも訓練場の場所が分からない…
まず優先するべきなのは朝の女の子から離れる事。お互いの為にも知らないフリをするのがこの場合ベスト。
「あの…訓練場の場所、分かりますか?」
逃げようとしたところでまさかの接触!
「あ、いや、勿論分からないけど…」
目は合わせられなかったけど、なんとか普通に答えられたと思う。
「一緒に行きましょうか?」
「いや、でもほら、なんかさ…」
俺といたらあなたまで変な目で見られるかもしれませんよ、とは言えない…
「聞きたい事もあるので一緒に、と思ったんですけど…」
「あ、いや、じゃあ…よろしくお願いします。」
なんなのこの子?そんな純粋な目で見ないでよ。俺みたいなのはすぐ惚れちゃうから。
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