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「高杉。やってみろ。」
「はい…」
こえぇ…さっきの先生がやったのですら実験でしか見ないような電気の勢いだったんだけど…
「属性が分からない以上、全てやってもらう。」
「…あれ?さっき黒板に書かれてたのって4つでしょう?火、水、風、雷で。6枚ありますけど?」
「基本は4属性だが、稀にこの二つを持つ人間がいる。このクラスにもいたはずだな。だから一応持って来た。ちなみに片方は光、そして闇だ。」
何が凄いって、他の何が使えなくても闇だけは使える自信があるって事だな。
「それでは火から。詠唱は全て同じだ。」
ワクワクとドキドキが混在した複雑な心境で左手で紙に触れた。右手は人の居ない方向へ。
「それじゃあ…起動!」
何も起きないのを想定してたせいで驚きが桁違いだった。
「あっつ!!…くはない!」
右手から火炎放射器もビックリな勢いで炎が噴き出した。良く見ると手からというよりは手から少しだけ離れた位置から吹き出てるらしい。そして何より近距離なのに熱を感じない。
「魔術が発動している間は発動した者の体は同属性のオーラに覆われる。だから発動した本人がダメージを負う事は無い。基本的にはな。」
「いやっ!それよりどうやって止めるんですかこれ!?」
永遠と吹き出す炎に熱くは無くても恐怖を覚える。
「紙から手を離せば止まる。」
先に言っていただきたかった。
手を離すと、嘘みたいにフッと炎が消えた。
「次は水だ。」
「全部やるんですか?」
「得意属性が複数ある人間も稀にだがいるからな。一応だ。」
「…起動!」
これまた噴水のような水が吹き出る。
「風。」
「起動!」
今度は台風かっ!ってくらいの突風が起きて置いてあった紙を全部吹っ飛ばした。
おかげで自分で拾いに行かされてしまった。
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