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「…雷。」
これは怖い。マジで怖い。先生の見てるから本気で怖い。
発動するなと祈りながら右手をかざす。
「起動っ!」
祈りは届かず、雷の様な電撃が真っ直ぐ伸びた。
急いで手を離したけど、ちょっと間違えば街一つくらい停電させそうな勢いだった。
「基本属性を全て所持。しかもどれも得意属性と言っていい。流石に驚いたな。」
「同じような人ってこの学園に何人くらいいるんですか?」
「この学園では学園長くらいだな。3属性までなら何人かいるが。」
…俺って凄いのでは?
「だが、ここからはお前の将来に関わる。」
「将来?」
「光、闇の属性を持つ者は軍に目を付けられる。理由は簡単だ。光は補助や治療に。闇は他の比では無い威力の破壊力があるからだ。」
「…それ、試さないって選択肢は?」
「ある。勿論な。授業でその二つを使う事は無いし、日常的に使う事も無い。光は使えれば少し便利という程度だ。この二つに関しては知らなくても問題は無い。」
「けどやっぱ…気になるんで。」
「だろうな。それならこれを。」
渡されたのは小さな一粒の種だ。
「これは?」
「光の発動は目では見えない。代わりにその種が反応する。」
「起動!」
どういう事かと思ったら、何も起こらなかった。
「まだだ。手を離すな。」
「……?」
何も起きて無いけど。種から芽が出ただけで…
芽が出た!?
「これって…」
「魔術を使うのは魔力。つまり生命エネルギーだ。それを他人に分けられるのは光属性を使える人間のみ。そして種が成長したのが使える証拠だ。」
手を離さずに暫く待つと、種が徐々に成長して芽が出て蕾が出来て花が咲いた。
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