18人が本棚に入れています
本棚に追加
「最後だ。いいか、良く聞け。もし発動したらすぐに手を離すんだ。絶対に2秒以上発動は続けるな。」
「わ、分かりました。」
おいおい…何が起きるんだよこれ…
「き、起動!」
発動したのはすぐに分かった。すぐ目の前に人1人くらいなら簡単に飲み込めそうなブラックホールが出来たから。
けど問題はそこから。
「手を離せ!」
「でもっ!引っ張られる!」
今までの魔術と違って、今度は俺を飲み込もうとしている。
「離せ!離せば消える!」
「消える前に俺が飲み込まれる!」
そうしている間にも俺の体は徐々に暗い穴に引き寄せられていく。
「ヤバいヤバいヤバい!!!」
「仕方がない!フレイム!!」
「あっちっ!!」
突然紙が燃え出して思わず手を離してしまった。
俺の頭の中ではあの穴は一瞬では消えず、ゆっくり消えていくと思ってた。だから手を離しても俺が飲まれるのが先だと。
けどそんなことは無く、本当にそこに穴があったのか信じられないほど一瞬でそれは消えた。
「全く、だからすぐに離せと言ったろう。」
「す、すいません…」
逆に先生が燃やしてくれなかったら俺はあのままズルズルと近づいて行って飲まれていただろう。
今更怖くなってきた。
「誰か、高杉を保健室へ連れて行ってやれ。」
「いや、この程度なら大丈夫です。軽い火傷だけなんで。」
「授業での怪我はどんな小さなものでも行く事になっている。行って来い。」
「じゃあ、私が。」
「頼む。他の生徒は続きだ。試したい者は光と闇の発動にも挑戦してもいい。」
その後に『発動しないだろうから』と付きそうなセリフだ。
最初のコメントを投稿しよう!