18人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、そうでした。左手貸してもらえます?」
いや、ロボットじゃないんで取れないです。とか冗談言いたいんだけど、なんだこいつって思われたくなくて素直に差し出した。
「私の得意属性は水。なのでこんなことも出来ます。『クール』。」
見た目には何も起きて無いように見える。だけどフィールさんの手が氷みたいに冷たくなった。
「なにこれ…すげーヒンヤリする。」
「水属性の魔法クール。一定範囲内の温度を下げる魔法です。」
いや、そうかもしれないけど、そんながっつり握られたら逆に俺の体温は上がるんですが。
そんな熱いのか冷たいのか分からない状態で保健室へとたどり着いた。
「失礼します。」
「おぅ!入れ!」
中から凄い元気な女性の声が聞こえた。
「初日から怪我とか、喧嘩か!?」
中に入るとこれまた美人な先生が椅子に足を組んで座っていた。
長い紫の髪を後ろで束ねていて、大きな胸が白衣の上からでも凄い主張している。何より何というか、魔女って感じの雰囲気のある顔が印象的な人だ。
「担任の先生に焼かれただけです。」
「あっはははは!どんな事したら担任に焼かれるんだよ!」
なんか…すっごい美人なんだけど台無しにしてるガサツさが滲み出てる人だな…
腹を抱えて爆笑してる人に事情を説明すると、今度は嫌な笑顔を浮かべて近付いてきた。
「へぇ?6属性全部?お前が?しかも転入生。今年から高等部に?」
手短に説明すると、急に目を輝かせて近付いて来た。
「な、なんですか…」
近い近い近い!!顔くっ付きそうだから!
「4属性持ちってのはまぁ、ぼちぼちいる。その年によっては学年5クラスの内、1クラスに1人いるって年もあるくらいだ。けど6属性ってなると話は別。」
さっきまではオモチャでも見るような目だったけど、今は実験材料を見るような舐め回す視線が向けられている。
最初のコメントを投稿しよう!