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「全然心当たりはありませんけどね。本当に知識は無いし、受験で何か特別な事をしたって事も無いですし。」
「って事は学園長の気まぐれか。まぁ、逆に良かったんじゃないか?周り全員が先生みたいなもんだからな。」
確かにそうか。優等生ばかりって事はどの属性の勉強をするにしても得意な人が近くにいるわけだし。
「同じクラスならフィールさんも凄い人だったんだ。」
「フィール?なんだお前、もしかしてあの」
「先生!あの…あまりその…」
「あぁ…悪い。」
なんだなんだ?あのってなんだ?凄い気になるけど、フィールさんが気まずそうな顔してるから聞くに聞けない…
「やべ、そろそろ授業終わるな。ちょっと手出しな。」
まさか本当にツバ付けられるんじゃないかとヒヤヒヤしながら手を差し出した。
「『ヒーリング』っと。これで大丈夫だろ?」
「…は?いや、え?」
怪我という程じゃなくても赤くはなっていた左手が綺麗に治っている。
一瞬。先生が一瞬手をかざしただけで。
「ちなみに光属性の魔法な。ガッチガチに凍らせてても良かったんだけど、それよりはこの方がいいだろ?」
「あ、はぁ、ありがとうございます。」
元魔導師は伊達じゃないって感じか。普通に光属性なんて使ってるし、フィールさんが驚かないなら今のがこの人の普通なんだろうし。
「それじゃあ戻りましょうか。まだ訓練場にみんないると思います。」
「あ、うん。」
「じゃあな若者達!それと高杉、だっけ?ここの場所は覚えとけよ!多分頻繁に来る事になるぞ!」
「保健室に頻繁に来るような生活はするつもり無いんで。失礼します。」
なんて不吉な事を言う先生なんだ。
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