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「なんて言うか…0か100にしかならないんですよ。中途半端に発動させようとしても暴発して…」
「そりゃそうだろ。お前の中には1000人分の魔力があるんだ。それを1人で制御、しかもほとんど未経験のお前がってなれば当然の事。」
それが分かってたから俺が頻繁にここに来るって思ったのか。
「何か方法は無いんですか?」
「こればっかりは経験が必要だな。例えばお前、卵割れるか?グシャグシャにじゃなくて料理に使えるように。」
「出来ますけど。一応家事はオバちゃんに教わったんで。」
「じゃあその割り方を説明出来るか?」
「そう言われると…」
「それと同じようなもんだ。感覚は人それぞれで本人にしか分からない。だから練習あるのみ、だな!」
他の人が俺より9年長く続けてる事を俺は今から追いつく気でいたら一体何倍努力すればいいんだろうか。
「一つ、いい事教えてやろうか?」
「是非。」
「魔力の流れは何も体の外だけじゃない。むしろ体の中で操作する方が簡単なんだよ。アタシの見た目の維持もその内側の操作だしな。そんで、古典的な内側に使う魔術を教えてやる。」
「どんな魔術ですか!?」
「マジックブースト。身体能力を飛躍的に跳ね上げる魔術だ。使いたいか?」
「勿論です!」
「なら両腕出しな。」
期待感を膨らませながら両腕を出した。
「いてぇ!!」
「悪い悪い。言ったら断るかと思ってな!」
先生が俺の手首を握ったあと、裂けるような痛みが走った。
「それがマジックブーストに必要な紋章。これには詠唱が必要なんだよ。古い魔術で現代には受け継がれて無いからそれ以外の使用方法が今のところ無くてな。」
見てみると俺の両手首には刺青のようなものがあった。
「さて!今ある傷は治してやる!せっかく使えるって分かったんだからすぐにでも使いたいだろ?私の訓練室を貸してやるからやってみろ!」
「はい!」
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