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また一瞬で治してもらってから保健室のドアに鍵を差し込み、クオン先生の訓練室に入った。中はジェイク先生の所と同じみたいだ。
「さぁ!詠唱は魔術名と同じ!『マジックブースト』だ!やってみろ!」
「っし!!マジックブースト!」
発動と同時に体の感覚が変わった。
説明しにくいんだけど、体が体じゃ無くなったような感じ。
「とりあえず全力で走ってみな!」
自慢じゃないが、俺は中々に足が遅い。この魔術で人並み程度にしかならなかったら笑われそうだ。
「いきます!」
地面を蹴って前へ出たかと思うと、目の前には壁があった。
「危なっ!!てか狭っ!!」
「おーい!大丈夫かー?」
何故か近くにいたクオン先生の声が遠くから聞こえる。
声のする方を見るとかなり遠くに先生がいた。
「マジか…」
距離にして大体50mくらい。それを一瞬で移動したらしい。
「帰ってこーい!」
今度は少し加減して地面を蹴った。
それでも矢のように周りの景色が変わってすぐに先生との距離は縮まった。
「すげぇ…すげぇすげぇすげぇ!!これが魔術!」
「マジックブーストで消費するのは体力じゃなくて魔力。お前にピッタリだろ?しかも気付いたかもしれんが、発動と同時に自動で魔力を操作して体を動かすようになっている。どうだ?」
「さいっこうです!」
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