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あの子が言うには案内図があるらしいけど、まず下駄箱の位置が分からなくて右往左往した。
5分くらいかけてなんとか見つけ出したあと、案内図を見て職員室へと向かった。
方向音痴な俺は案内図を見ても間違えて3回案内図のある場所まで戻ってしまった。
学園に近い場所に家を借りたのもこのせいだったりする。
「ようやく着いた…既に疲れたんだけど…帰りたいんだけど…」
1週間分くらいの疲労感を抱えていてもまだ何も始まってすらいないのに帰るわけにはいかない。
「失礼しまーす。」
中は普通の学校と変わらない感じだった。
少し落ち着いた所で一番近くにいた人に声をかける。
「あの、今日からここに通う事になってる高杉晃なんですけど…1-Eの先生ってどの人ですか?」
「1-E…ジェイク先生だったかな?ほら、あの窓際にいる金髪の先生。」
「ありがとうございます。」
オッサンとは普通に話せる不思議。
教えてもらったジェイク先生とやらは、おそらく自分の机であろう場所で話しかけるなオーラ全開で本を読んでいた。
「すいません。1-Eの担任ってジェイク先生で合ってます?」
そんなの御構い無しに話し掛けると、案の定睨みつけるような視線を浴びせられた。
「そうだが?」
見るからに若い外国人で綺麗な金髪。そしてイケメン。
こんな無愛想な感じでも生徒にモテてたりするんだろうなとか軽く嫉妬しながらも表には出さずに話を続けた。
「転校生です。高杉晃。先生のクラスのはずです。」
「あぁ、君か。学園長から話は聞いている。何故私のクラスなのかは疑問だが、まぁ頑張りなさい。」
「あ、はぁ…」
『何故私のクラスなのかは疑問だが』ってどういう意味だ?
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