飛鳥魔術学園!

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「えぁ、あの!別に俺何も!」 また教室が静まり返る。 俺なんかした!?言われたから触っただけなんだけど!?物凄い脆い物だったとか!? 「これは驚いたな…学園長から面白い生徒が来ると言っていたからどんな生徒かと思えば、水晶を破壊するか。」 「いや!壊したとかじゃ…」 「分かっている。恐らくこれについて知らない生徒もいただろうから説明する。この水晶は個人の属性、魔力量を調べる簡易的な魔道具だ。勿論本格的な物もあるがここでは安価なこの道具を使っている。ではその違いは何か、それは吸収出来る魔力量の差だ。」 俺と他の生徒を交互に見ながら先生が説明してくれた。つまり、俺の魔力がこの水晶じゃ吸収し切れなかったって事なのか? 「ちなみに、安価な物だとはいえ、これでも平均的な成人100人の魔力を吸収出来る性能はある。」 「せ、先生…じゃあその転入生は100人分以上の魔力量があるって事ですか!?」 静かだった教室がまたざわつき始める。 「100人分なら驚く事じゃない。この学園の教師にも何人かいる。」 なんだ、結構いるのか。とみんなが息をついたところに先生からの追撃。 「だが、その程度なら砕け散りはしない。少なくともその10倍の魔力量がなければああはならない。」 「10倍!?」 思わず数人が声を上げた。勿論俺も。 魔術の基礎もほとんど知らない俺みたいな奴の魔力量が1000人分は下らないなんて、それこそ冗談としか思えない。
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