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…………………………ぉぃ…………………………ぉぃ……ぉぃ……ぉい……おい……おいしっか……おい…………………………おい!
見慣れない天井の細長い蛍光灯と、それの半分を覆い隠す人の頭があった。
「……………誰?」
「……誰って……とぼけんなよ……」
「……………えっ?……………えっ!」
あの時の巨大怪獣の自爆を追体験するような強い衝撃と共に、私は目が覚めた。私が今一番会いたい人が、目の前にいたからだった。
「心配したんだぞ、全くもう……帰ってきたら、テレビ点けっぱなしベランダ開けっ放しで身体冷やして倒れてたんだからよぉ……まあでも、異常気象で今日だけ暖かったのが不幸中の幸いだったけど……」
目を覚まさせた衝撃が大きすぎたせいか、私は返す言葉が見つからなかった。しかし、目の前にいる夫に何か言おうと声を出した。
「……ごめん……なさい……」
「……んっ、えっ?」
「……ごめんなさい」
「えっ?……ああ……俺もごめんな……悪かった……」
「……えっ?」
「……んっ、えっ?……」
「えっ?」
「……………」
「……………」
「…………………………」
「…………………………」
しばらくして、私と夫は、静かに笑った。
END
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