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ふわり、意識が浮上した。……随分と懐かしい夢を見ていた。冷たい足枷、人間の視線、声。
「シキ……」
少しシキを抱き寄せた。……まだ夜は明けていない。
「ん……、どうしたの詩祺」
眠そうな声、起こしてしまって悪いなと思った。
「ううん、なんでもないよ。おやすみ、シキ」
あたたかい、初めてだ。こんな近くに誰かがいるのは。シキに頭をわしゃわしゃとされたときは、何か、溢れてしまいそうで、どうすればいいか分からなかった。
……このぬくもりを手放したくない、そう思ってしまった。
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