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これは『あたし』が体験した話です。
『あたし』は当時高校生で、仲の良かった女友達がいました。
『あたし』達は当時ウワサになっている占い師の元を訪れました。
そこは最近駅前にできたビルの中にあります。
さまざまな占い屋が入っていることが評判となり、数多くの女性達が毎日訪れていました。
『あたし』達も友達や周囲の評判を聞いて、興味を持ってここを訪れました。
「ねぇねぇ、どこから行く?」
「いろいろあるよね~」
たくさんの女の子達が行き来する中、『あたし』達はフロアを見回しました。
タロットカードや四柱推命、星座占いなど、数多くの占い屋がフロアに所狭しと並んでいます。
「ところで占ってもらう内容、決めた?」
「あたしは運勢のことかな。何か最近、パっとしないし」
「じゃあアタシもそうしよっと。なら、あそこのタロットカード占いがよくない?」
彼女が指さしたのは、『あたし』達からはそう遠くない所にあり、あまり待っている人もいませんでした。
なので『あたし』は賛成し、列に並ぶことにしたのです。
ほどなく順番は回ってきました。
『あたし』と彼女は二人で中に入りました。
「いらっしゃい」
占い師は穏やかな雰囲気の男性でした。
まだ三十代ぐらいに見えましたが、彼のまとう空気がとても清らかに感じられました。
『あたし』達は彼の向かいのイスに座るように言われ、腰を下ろしました。
「さて、お二人は今日はどのようなことを占ってほしいですか?」
「えっと、あたしはこれからの運勢のことを」
「アタシも一緒です」
「分かりました。では先にこちらのお嬢さんから占いますね」
その後、彼はタロットカードを使い、『あたし』の悩みを次々と明らかにしていきました。
どうやら占いの腕は本物みたいでした。
口コミで広がったウワサだったので、半信半疑でしたが、本当にびっくりするほど当たっていました。
彼は最後に、平凡ながらも順調な生活を送れるだろうと言ってくれました。
大きな波は無いものの、平凡が一番だと言っていました。
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