占いをしてもらった女の子達

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次に彼女の番でした。 しかし新たにタロットカードを使う彼の表情が、一瞬暗くなったのを見ました。 でもそれはすぐ一瞬のことで、すぐに彼は笑顔になり、こう言いました。 「あなたはこれから三か月間、とても幸福になれるでしょう」 「ホントですか!?」 彼の言葉に、彼女はとても喜びました。 「ええ。人生の幸せを全て凝縮したような、夢のような三か月間を過ごすでしょう」 「やったー!」 無邪気に喜ぶ彼女でしたが、『あたし』は占い師の彼が浮かべた暗い表情が気になりました。 しかしわざわざ彼女の喜びに水を差すことは躊躇われ、その場は黙っていることにしました。 料金を払い、『あたし』達は出ました。 「ねぇ、さっきの占いだけど…何かウマ過ぎない?」 「そお? ならもう一軒ぐらい、行ってみる?」 彼女はすっかり上機嫌で浮かれていました。 占いの料金は高校生ということもあり、安く済みます。 なので思いきって、『あたし』達はもう一軒行くことにしました。 今度は水晶占いで、五十代ぐらいの優しそうな女性が占い師でした。 『あたし』は先程と同じ内容のことを占ってもらいました。 女性から言われたことは、タロットカード占いの男性から言われたこととほとんど同じでした。 そして彼女の番になり、女性は水晶を見て一瞬目を見開きました。 しかし次に出た言葉は、やはり彼女は今から三か月、幸せになれると言うこと。 彼女は二人目の占い師から言われた言葉に、すっかり興奮してしまいました。 『あたし』は念の為に、本当なのかと尋ねてみました。 けれど女性は優しく微笑み、ウソは一つもないと言い切りました。 なので料金を払い、『あたし』達は出て行きました。 「スッゴイなぁ。二人の占い師から幸せになれるって言われるなんて!」 「うん…そうだね」 「ねぇねぇ、手相占いもやってみない?」 「えっ? あっ、うん…」
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