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時雨side
14年前の9月25日、弟が生まれた。当時俺は5歳。弟が出来たことに凄く喜んだ。弟は、凄く可愛いかった。
「時雨、今日からあなたがお兄ちゃんよ。蒼依の面倒はお母さんが見れない時に時雨がしてちょうだいいね。」
「うん!頑張る!」
弟の蒼依は天使みたく可愛くて世話は頑張った。お締めが汚れた時の対処は、どうすればいいのか分からなかったが、蒼依のために頑張れた。
そして現在、俺は大学に合格して大学生。弟の蒼依は中学生。時間が経つのは早い。俺は家から大学に通っている為、蒼依と離れていない。というか俺が離れたくなかった。ブラコンかよと周りに言われているが、気にしなかった。それくらい、弟の蒼依が好きなんだ。兄弟愛として…。
「兄ちゃん、勉強教えて?」
「ん?いいよ。どこ?」
「えーと…これなんだけど…」
蒼依は来年受験生。受験のために、休日も家庭学習をしている。とても偉い。
「あ、分かった!ありがとう兄ちゃん!」
「分からなかったらいつでも言って。教えるから。」
「本当!?嬉しい!」
そう言って笑う蒼依。やっぱり可愛い。
「あっ、そうだ兄ちゃん!」
「どうしたの?」
「買いに行かなきゃならないものがあったんだけど午後から、ちょっと付き合ってくれない?」
「いいよ。じゃあ一時にでも行こうか。」
「うんっ!」
この時、俺は蒼依と外出しなければよかったと激しく後悔することを思ってもみなかった。
午後、蒼依と外出した。
「それで、何を買いたいんだ?」
「え?な、内緒っ!」
「えー、何それ。気になるじゃん。教えてよ~。」
そう言って俺は蒼依の頭をわしゃわしゃ撫でる。
「ちょっ…兄ちゃんやめてよ~!」
そうやって弟とじゃれていた。すると、知らない女性二人がやってきて、声をかけられた。
「ねぇねぇ、君って立花時雨君…だよね?」
「え?そう…だけど……」
「やっぱり!立花君みたいなイケメンいるなーって思ってたけど、やっぱり立花君だったんだ!」
「これって運命じゃない!?」
キャーキャーと騒ぐ女性達。何でおれの名前知ってるんだろう?もしかして同じ大学の子達かな?
「兄ちゃん、知り合い?」
「…分かんない。でも多分、俺と同じ大学の子達だと思う。」
「そう…なんだ……」
そう言って、蒼依は俺の手を彼女たちの見えない所で強く握っていた。
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