やっぱり最後は・・・

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なんか鼻の先がくすぐったくて、目が覚めた。 ーーあっ、これ、一樹さんのだ。 真っ先に視線に入ったのは、下生えの中に縮こまる一樹さんの萎えた雄。 何気に、ぺろっと舌を出し、先っぽを舐めてみた。 微かに石鹸の薫りがする。 ーーあれ、なんの反応もない。 見上げると、彼は、穏やかな寝音を立てて熟睡していた。 「ナオは、本当に、寝相悪いな」 「海斗、起きてたの⁉」 「ナオの手が、何気に当たるんだよ」 目を擦りながら、海斗は、何度も欠伸をしていた。 「ごめん、わざとじゃないから」 って、いうか、何で二人とも裸なの⁉ 僕は、かろうじて、下着を着せて貰ってるからいいけど。 「ナオ、一緒に寝よう」 海斗が、体を、一樹さんにくっ付けて、一人分開けてくれた。起き上がって、そこに入ると、肩に顔を埋めてきて、そっと、抱きしめられた。 「寂しいけど、我慢する」 この五年いつも彼と一緒で。それが当たり前になってて…… 「僕だって、寂しいよ」 彼の背中に、遠慮がちに手を回すと、海斗の唇が、鎖骨の窪みに、軽く、押し付けられた。 「大好き。愛している」 「・・・僕も」 「頑張って、試練乗り越えて来い」 「試練って⁉」 「一樹、話してないんだ。俺もよく分からないけど、鏡っていう人が槙家の嫁と認めない限り、交際不可みたい」 「何、それ⁉」 「代々、槙家の嫁は、大番頭だった鏡家の当主が決めてきたらしい。一樹さんのお父さんが、それを初めて破ったらしいけど」 「じゃあ、礼さんっていう人のお父さんに、認められないといけないの⁉」 当主なら、一樹さんのお父さんと同じ世代かな⁉よく、分からないけど。 「多分」 「そっかぁ」 ーー僕、どうしたらいいんだろ。 「ありのままのナオでいればいいんじゃないかな⁉大丈夫」 海斗に励まして貰ったけど、前途多難なのは、変わりなく。 海斗は、しばらく、起きてくれていたけど、睡魔には勝てなかったようで。彼の寝顔を眺めながら、うんうん、色々考えてるうち、眠れなくなってしまった。
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