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愛別離苦
「鏡、取敢えず、今日はいいだろう」
橘内さんが、助け船を出してくれた。
「仕事まだ残ってますので、失礼します」
鏡さんは、一樹さんに向かって深々と頭を下げた。僕とは一切、目を合わせてはくれない。
しかも、すれ違い様、また、鼻先で笑われた。
「たく、こんなに頭が固いとは・・・」
橘内さんと、鏡さん、二人がいなくなり、一樹さん、大きな溜め息を吐いていた。
「ごめんな、嫌な思いばかりさせて」
「ううん、大丈夫。僕には、一樹さんや、海斗がいるもの」
へこんでいる場合じゃない。
「すぐ、ご飯の用意するね」
一樹さんの前では常に笑顔でいなきゃ。
「ナオ・・・」
彼の腕が伸びてきて、そのままハグされた。
「ご飯より、ナオが欲しい」
熱っぽい視線を向けられ、心拍数が一気に羽上がった。
いつも、海斗を交えて、三人だったから。
二人きりが初めてで、正直、恥ずかしい。
「奥の部屋行こうか」
彼の誘いに小さく頷いて、レジ袋をテーブルの上に置くと、体がふわりと宙に浮いた。
「か、一樹さん‼」
お姫様だっこされ、そのまま、寝室へ連れていかれた。ふかふかの大きいベットに僕を降ろすと、一樹さんは、ドアに鍵をかけにいった。
「ナオとの大切な時間、邪魔されたくないから」
鏡さんが、この家の合鍵を持っているらしい。
だから、いつ何時来てもおかしくないみたい。
一樹さんは、ぽんぽんと、スーツを手際よく脱いで、あっという間に裸になった。
「ナオ、欲しかったんだろ、これ」
ベットの上に上ってきて、僕の前で立ち膝で座った。
すぐ目の前に、彼の萎えた雄。鈴口からは、トロリと、先走り液が溢れてる。
「もしかして、起きてたの⁉」
「うん。あのまま、されるがままになってようかと思ったけど、我慢した。だって、今日から、ナオを一人占め出来るんだもの」
一樹さん、抑えきれない笑顔で、歯を見せてはにかんだ。そんな子供っぽいところが好き。
勿論、彼の分身も。
手で、持ち上げ、舌先で、唇で愛撫するうち、少しずつだけど、硬さと硬度が増していく。もう、それだけで、彼への愛しさが一層募っていく。
「ナオ、気持ちいいよ」
一樹さんの声もどんどん熱っぽいものに変化していく。
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