10年

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 雨の季節が終わりを迎え、灼熱の暑い夏がやってきた。 今年の夏は例年になく暑い。 こんなとき事務職でよかったと思う。 屋外での仕事だったら、今頃夏バテ真っ只中で、とても仕事どころではない。考えるだけで、ぞっとした。 冷房の効いた室内でいつもの書類を整理するのはいいのだが、お得意先への外回りの時は、その反動が物凄かった。 気分が悪くなるくらいへとへとになり、帰社していた。 外回りの際もいつも携帯を気にしている自分がいた。 いつ元妻から連絡が来てもいいように、心構えはあったが、肝心の連絡はまだなかった。 もう忘れてしまったのか? 芳樹はこちらから連絡しようか迷ったが、結局は連絡を待つことにした。 もしかすると、娘が父親と会うのを拒んだのかもしれない。真相を知るのが怖かった。
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