天才的な才能

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天才的な才能

人はそれぞれに天才的な才能のようなものを持っている。 多くの人は自分の中に秘められたその天才的な才能に気づくこともなく一生を終えてしまうとすればなんとも勿体(もったい)ないことである。 学業やスポーツ、芸術に音楽、芝居やビジネス、様々な才能がある。 ただ才能とはそうしたある意味わかりやすいものだけではない。 他人はおろか自分自身でも気づかない天才的な才能というものがある。 ここに夏帆(かほ)という女性を登場させたい。 彼女はそれこそ他人に認められるような天才的な才能に自分自身でも気づくこともなく人生を歩んできた。 しかし彼女には「待つ」ということに天才的な才能を持っているのである。 ラーメン店の長い行列を見ただけで諦めて別のラーメン店に足を向けてしまう人も多い中、彼女にとっては待つということは何の苦労にも感じずに待つことができお目当てのラーメンを食することができる。 病院の待合室で具合の悪い子どもたちが泣き叫んでいても風邪をひいた彼女は何時間でも平気で待っていることができ医師の診察を受けすぐに元気な身体へと戻っていく。 夏帆本人はまったく気づいてはいないが彼女には「待つ」ということに天才的な才能を持っているのである。 だからと言って単に「待つ」ことに彼女が忍耐強いということではない。
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