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「あ……す、すみません! なんだか、嬉しくて……本物のサンタとトナカイに会えるなんて、こんなに素敵なプレゼントは二度とないです。本当にありがとうございます。俺はもう、充分に幸せです!」
それにきちんと勃つようになったし、と心の内で思いながら満面の笑みを浮かべる。だが、二人は呆然と聖を凝視していた。何か間違ったことを言っただろうか。
「カイ……ここは休戦しよう」と蔵臼が静かに切り出した。
「ええ、そうですね。ここは協力したほうが良さそうです」戸名も聖を見つめたまま大きくうなずく。
「ああ。まだ聖くんには私たちの本気を理解していないようだ。今夜、もう一度じっくりと伝えるとしよう」
「え? ええっ?」
「聖くん……クリスマスは、まだ終わっていないよ?」
父さん、母さん。
俺は昨夜、本物のサンタとトナカイに会いました。
でも、なんだかとんでもないプレゼントを、俺はもらってしまったようなのです――
~Fin.~
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