第3話 12月24日(月)21時30分 雪村聖のアパート

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「どどどどうやって、ここに入ってきたんですか! ふ、不法侵入ですよ!」 「おや、サンタクロースに不法侵入は適用されるのかい?」 「あっっったりまえでしょう!」  サンタは肩をすくめながら「君はそんな夢のないことを言わないと思っていたんだがね」と言い、窓のほうを指さした。くいと指先を曲げると、鍵を閉めてあったはずの窓がカーテンとともにゆっくりと開かれる。 「どうやってここに、と聞いたね。あれで来たんだ。なかなか立派だろう?」  狭いベランダの上に、大きな深い緑色ソリが浮かんでいた。星がまたたく夜空の下で、ソリの後ろにつけられた金色の鈴がきらりと光る。 「う、うそでしょ……」 「まだ信じてもらえないかな?」  くすりと笑う自称サンタを、聖は初めてまじまじと見た。  ひどく見覚えのある顔だと思ったが、その可能性は真っ先に排除した。目鼻立ちの整った色男で、背も高く、身体つきはそれなりにがっしりとしている――いやいや、まさかそんな。 「夢、だよね、うん。あんな大きなソリが空に浮かんでいるなんて、っていうか、サンタとトナカイが家にいるとか、ありえないし……はははははは」 「まぁ、君が納得するならそれで良いが。驚かせた私も悪かったか……」     
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