題材ツアーと黄昏の日

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 美術部の毎年恒例の文化祭の出し物「絵はがき」は、まず学校の一風景を切り取った絵を描くことから始まる。それを写真にとって、ハガキに印刷する。後半は業者に頼むのか、自分でするのか知らないが、阿立先生が何とかしてくれるので僕らはただ絵を描くだけでいい。 「──で、柏木さん。僕らは一体何処へ向かっているの?」 特別棟の階段を下り校舎棟へと足を進める柏木さん。わりと歩くスピードが早い。 「ついたらわかる」 そりゃあ、ついたらわかるでしょうとも。
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