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「大変だ、美術部の危機だ!」
「そうですか、頑張って下さい」
阿立先生は基本的にはいつも図書室にいる。理由は簡単。図書室の美人司書、小村さんにベタボレだから。この男がわざわざ遠い美術室に来る時は大抵僕らに厄介事を押し付けようとしている時だ。柏木さんもそれをよくわかっているから、阿立先生を無視して数学の説明を続けている。
「おい、聞けって。今回ばかりは本当にヤバイ。美術室が奪われるぞ?」
この発言には流石の柏木さんも反応を示した。
ペンをおいて阿立先生の方に向き直った。
「続き、聞かせて」
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