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阿立先生の話をまとめると、6月の文化祭での出し物で『漫研』と競うことになった、らしい。
『漫研』というのは『漫画研究会』の略で、その名の通り漫画を描いたり元ある作品のイラストを描いたりする、漫画やアニメ好きが集まる活気ある部活だ。
それぞれが一つ何かをつくって売り上げの多い方が勝ちという。漫研が勝つと僕らが追い出され、美術室は漫研の部室に変わることになっているらしい。
「僕らが勝つとどうなるんですか?」
「漫研が現在根城にしている第七職員会議室の所有権をもらえる!」
へ?
「いやあ、倉田のやつ、まんまと策にはまりやがった。今まで部室が図書室の隣という理由だけで小村さんのとこに毎日通いやがって……今に見てろよ!この、ドスケベ下心丸出し男がッ!」
お前だああぁぁぁあっ!
なるほど、だんだん分かってきたぞ。
倉田というのは国語教師のことで、端正な顔立ちで女子生徒に人気だ。そして漫研の顧問であり、阿立先生と同じく小村さんの大ファン。阿立先生と倉田先生はことあるごとによく張り合っている。今回もそれの一種だろう。
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