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下にはインディゴカラーのデニム・ジョガーパンツを履いていて、喋り方や雰囲気に軽薄さが目立つ。
「あん!? なんだよてめぇら」
アウレリアが女性とは思えないほど、恐ろしい顔で睨みつけた。
それを見た比奈がすぐにアウレリアの首を絞める。
それから、男たちにわからないように耳打ちする。
「ねぇ、さっき言ったよね。やる気あんの? あたしたちは今女子高生だよ。そんな殺し屋みたいな顔はおかしいでしょ!!」
「わ、わかったから、離せって……」
男たちは、それを見てきょとんしていた。
比奈はアウレリアのことを誤魔化そうと、男たちに話しかける。
「ごめ~ん。あたしたちこれから新宿で用事すませてぇ~。そのあとゲーセンでプリクラ撮るから、ちょっと無理ゲーみたいなぁ~」
それは見たアウレリアは思った。
……誰だよ、お前。
声も表情も別人じゃねぇか……。
あまりの比奈の変わりっぷりに、アウレリアは言葉を失った。
「ねぇレリア。そうだよねぇ~」
比奈がアウレリアに話を振ってきた。
「あ、あ~あ……そうそう。あたしたちこれから用事あるから」
アウレリアなりに頑張っているようだが、普段とあまり変わらない。
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