第13話 脱衣腕相撲

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「レリア……こんな時にふざけないで」 「あん? 出てこねぇか? ならあたしが決めてやる。コンビ名は……ポニーテール・スイート・ハート」 「チアリーダーか」 比奈がボソッと言った。 二人が言い合っている間に、着ていた黒のモッズコートを脱がされ、黒のロングTシャツ姿になって、テーブルの上に無理やり腕を組まされている東。 手の大きさ、腕の太さ。 こうやって組んでみるとわかるが、東の腕は白く、毛が少ないせいか女性の腕のようだ。 「面倒なルール無しだ。ただ相手の手をテーブルにつければいい」 ツーブロックの男は余裕の笑みを浮かべて言った。 負けるわけがない――顔にそう書いてあるようだ。 対する東は、とても自信がなさそうな顔をしている。 「レディー……ゴー!」 審判役男が、二人の右手を握りながら叫んだ。 スタートし、東は力を込めるが、ツーブロックの男の腕はまったく動かない。 ニヤニヤしながら東を見つめるツーブロックの男は言う。 「なんだ? これで本気かよ? 弱すぎんだろ」 東が歯を食いしばる。 しかし、相手の腕はまったく動かない。 そして、ツーブロックの男が力を入れ、すぐに勝負がついた。 わかりきっていたことだが、東は負けた。     
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