第14話 能面尻尾女と二丁拳銃のブロンド

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二人が話していると、ツーブロックの男が言う。 「おい、姉ちゃんたちよぉ。次はどっちが脱ぐんだ? さっさと始めてぇんだが」 比奈は、灰色のラシャコートを脱ぎ、キャスケットをアウレリアの頭へ乱暴に被せた。 急に帽子を被せられ、少し(うめ)くアウレリア。 そして、先ほどの彼女と同じように、腕につけていたヘアゴムを取り、ポニーテールを作る。 「あなたもこいつらも。こんなことなって、ただ騒ぎが大きくなるだけなんだから」 その姿を見た店内にいる全員が驚愕(きょうがく)の表情になった。 動きが止まり、ただ比奈の方を口を開けて見ている。 そして、やがて声が聞こえだした。 「……加藤比奈だ」 「マジか? あの地下格闘技のチャンピオン水無尚人(みずななおと)をぶっ倒したっていう!?」 「間違いねぇよ、本人だ」 ぽつりぽつりと聞こえ出すその声に、アウレリアは先ほど被せられたキャスケットをとって言う。 「ひゅ~!! なんだよ、お前有名人じゃねぇか。アイドルでもやってたんかよ」 嬉しそうなアウレリア。 ざわつく店内の中、ツーブロックの男が静かに言う。 「……能面ヅラに尻尾頭。見覚えがあると思ったらてめぇ、加藤比奈だな」 比奈は、両腕を組んでからため息をついて返す。     
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