第14話 能面尻尾女と二丁拳銃のブロンド

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「加藤比奈は殺す。もし止めたいなら俺に勝ってみろよ。そしたら手は出さないでおいてやる」 東をじっと(にら)みつけながら言うツーブロックの男。 そして勝負が始まる。 「レディー……ゴー!」 先ほどと同じように、審判役の男が二人の右手を握って叫んだ。 東は力を込める――が、ツーブロックの男の腕はやはり動かない。 東を(にら)みながらツーブロックの男は言う。 「俺に勝てなきゃ加藤比奈は死ぬ。てめぇの非力さを悔やむんだな」 歯を食いしばる東――だが、やはり動かない。 ツーブロックの男が、思いっきり力を込めて終わらそうとしたその時――。 「うぎゃぁ!!」 ツーブロックの男が、急に仰け反り、大きな声を出した。 その(すき)に東は、男の腕をテーブルに叩きつける。 東は、左手の親指でツーブロックの男の右目を潰そうとしたのだ。 そうして(ひる)んでいる間に勝負をつけた。 「躊躇(ちゅうちょ)なしかよ!! 惚れるぅ~!!!」 アウレリアが歓喜(かんき)の声を上げて叫んだ。 「てめぇ!! 汚ねぇマネしやがって!!!」 負けたツーブロックの男が、立ち上がって、懐から拳銃を出して東へ向けた。 韓国産の自動拳銃、K5・民間型DP51だ。 だが、いつの間にアウレリアがツーブロックの男に拳銃を向けている。     
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