第14話 能面尻尾女と二丁拳銃のブロンド

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アウレリアの銃――マテバ 6 Unica。 銃身が下にあるのが特徴で、おまけに手に受ける反動は他の拳銃に比べて強くなるため、慣れない人間には扱いづらい回転式拳銃(リボルバー) だ。 「おい、もう終わってんだろツーブロック。そんなガリガリにアームレスリングで負けた上、恥の上塗りをする気か?」 「っく!? てめぇなにもんだよ金髪!!」 「そんなことより、負けた腹いせに丸腰の奴を撃ったなんて(うわさ)がたったら、お前は二度とデカイ顔して街を歩けなくなるんじゃねぇの? それともコリアンに面子(めんつ)ってもんはねぇのか?」 アウレリアがそう言うと、店内にいた連中も遅れて拳銃を抜き始めた。 「……だから大ごとになるって言ったじゃない」 比奈は特に驚くでもなく、いつも通り無表情でボソッと言った。 「おもしれぇ。てめぇら豚は全員サンチュ巻いて、サムギョプサルにしてやるよ」 笑みを浮かべながら言うアウレリア。 そして、着ていた黒と黄色のレザージャケットの下にあるショルダーホルスターから、もう一つの銃を抜いた。 イスラエルのIMI社が開発したIMIジェリコ941だ。 比奈が叫ぶ。 「レリア!! 殺しはダメッ!!!」     
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