第17話 ココアの包容力

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二人が話していると、ベットで寝ていた真奈美が目を覚ました。 真奈美は体を起こして、立ち上がろうとすると、半蔵がそれを支える。 半蔵は、無理をせずまだ寝ているようにいうが、真奈美はもう大丈夫と返す。 真奈美がテーブルにつくと、半蔵は、自分の口をつけていないココアを渡した。 「ありがと、半蔵(ハン)ちゃん。……変なことに巻き込んじゃったのに、相変わらず優しいね」 真奈美の顔に笑みがこぼれる。 半蔵は穏やかな笑みを浮かべて返す。 「日々の生活には、大事なことが三つある。一つ目は優しくあること。二つ目も優しくあること。そして三つ目も優しくあることだ」 「今度はヘンリー・ジェイムズか……」 桐花が少し(あき)れた様子で言った。 半蔵は桐花に言う。 「ヘンリー・ジェイムズは、たしかアメリカの出身だったと思ったが?」 「生まれがアメリカでも、活躍していた国はイギリスよ。だからこそ彼の作品は英米文学と呼ばれているの」 半蔵は、桐花に軽く頭を下げる。 真奈美とスーロンがそれを見て笑っていると、真奈美のスマートフォンが震え出した。 真奈美が電話に出る。 どうやら電話の相手は比奈のようだ。 「うん、こっちは大丈夫だよ。えっ!? 相模原に荒川さんが?」
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