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第2話 あたしたちはJK
比奈とアウレリアは電車に乗り、情報屋のいると思われる新宿歌舞伎町へ向かっていた。
二人は、真奈美が変装のために用意していた服に着替えていた。
少し丈の長い紺のブレザー、白いスクールシャツにユニクロの黒いカーディガン、ホックで引っ掛けるタイプの赤いリボン、短すぎない紺のプリッツスカート、黒の靴下はわざと下げてくしゅくしゅさせ、ブラウンのローファーを履いている。
背負っている大き目のシンプルなリュックには、着ていた服が入れてある。
真奈美が用意したのは、学生の制服だったようだ。
ポニーテールを解き、綺麗にブラシングした長い髪を揺らしながら、周りに声が聞こえないように話す二人。
「いいわねレリア。これからあたしたちはJKなんだから、発言と喋り方には気をつけなさい」
見た目は完全にどこにでもいる女子高生だが、比奈は心配のようだ。
「はいはい」
かったるそうに両手を後頭部へ当てながら言うアウレリア。
電車から降り、駅から歩いていると、二人組みの男が声をかけてきた。
見た目は大学生くらいだろうか。
男たちは、紺とグレーのテーラードジャケットをそれぞれ着ていて、インナーはVネックの白いシャツ。
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