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「お疲れ様」
神様、私への罰ですか。ルイスの気持ちを踏みにじってきた罰ですか。私もクリスチャンになれば許してくれますか。あ、だめだクリスチャンになったらますますルイスと一緒に行動するしかないじゃん。
ぐったりしていると営業部の人たちがイラついた様子で通り過ぎていった。
「まだ園田と連絡つかないのか!? 商談まであと2時間だぞ!」
「無断欠勤する人じゃないんですけど。連絡つきません」
「もういい、お前が出ろ。担当者はお前に替えたって言うから!」
「え、マジですか。やった棚ぼた。園田先輩ありがとう」
「あのアホと連絡ついたら顛末書の準備しておけって言っとけ!」
「はーい」
その姿を見送り、ふうと息をついた。
「あっぶなー。今の会話聞かれてたら注意されてた」
「私用電話だめ、絶対」
「すみません。ところで園田さん欠勤なんですね」
「園田って誰だっけ」
「先輩本当に男の人に興味ないですね。あれですよ、この間の飲み会に飛び入り参加した酒癖の悪い」
「あー、透瑠君に絡んでたアレね。そうか、欠勤か。さようなら園田」
「え? こんな事でクビですか?」
「さて、私たちも戻ろうか」
「え、あ、はい」
重い足取りで家に着く。これでお帰りハニーとか言ってきたら殴ろう。いや、どこ殴ろうかな?どうせ正面からいってもいつも防がれるしたまには回し蹴り? 私空手やってた時は回し蹴りからの踵落としの方が得意だったもんね。ま、それもルイスには全部防がれたりかわされたりしてたんだけど。じゃあ上段二段蹴りで。
よし、と意気込んで玄関を開ける。ずっといたわけでもないだろうけど、そこには予想通りルイスがいて満面の笑顔で立っていた。
「お帰りダーリン」
……。ダーリンてお前。
「そう来たか。予想外すぎて蹴りを忘れた」
「そんな事だろうと思ったよ。着替えて降りてきて、今日はドライカレーにしてみたよ」
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