おはなし。

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彼女との出会いは、幼稚園だった。 幼稚園の時の私は、男の子とよく一緒にいた。 一緒に走り回りながら、キャーキャー言っていたことから、完璧に男の子認定されていたのだ。 また、女の子とも一緒にいることがあった。 1番仲が良かった『あおい』ちゃんと、よくプリキュアごっこをして遊んでいた。 2人で廊下を走り回ってはいろんな人を助けて(倒して?)いた。 周りからの人気はまぁまぁあったし、人付き合いは今でも上手い方だ。 あの時の周りとの友情の深さは、広く浅く、昔から知っている子は、まぁまぁ深く、のような、ある程度距離感の取れた交友関係だった。 しかし、彼女が初めて訪れた日。 昔から男勝りな性格の私は、幼稚園の時に初めて会った彼女に、まっすぐに惹かれてしまっていた。 色々な人に好かれそうな、人懐っこい笑顔。 それでいて、どこか大人っぽい容姿。 大人っぽくて可愛い、そんな漫画のような彼女が初めて見た時は、子供ながらに綺麗だ、とか可愛いとかと思っていた。 まだそれだけなら、良かったかもしれない。綺麗だな、と思っているだけなら、相手にも私にもなんの影響もないのだ。だが、私の親譲りの行動力は凄まじく、紹介されてから速攻で話しかけた。彼女は目を丸くして、少しだけ笑った。足速いんだね、と。 初めて見た彼女の笑顔に、くじら組のみんなは一瞬で虜になった。 そこからは、みんながワーワーと彼女を取り囲んで来たので、「逃げよう」と言って、私だけが知っている秘密基地に逃げ込んだ。誰も知らない秘密基地。これまでも、これからもずーっと私だけの場所だと思っていたのに、他の子を連れ込んでしまった。そこからの戸惑いと、なぜこんなことをしてしまったのかという疑問に頭がいっぱいになり、すぐに黙り込んでしまった。
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