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「早速、明日から実行だよ!」
紅葉をギューっと抱きしめながら胸を張って言った。
「……2人とも、付き合ってるんじゃないんだから、そんなくっつきながら変な宣言しなくても……」
私たちの親友ーー瑞樹が、呆れながら言った。
私は、残念ながらもう付き合ってまーす、と言いたい気持ちを抑え、付き合ってないもーんと返す。
「ばーか、この2人が付き合ったらレズになっちゃうじゃん!」
と、東小出身の菜津が言う。
ピクッと動いた紅葉の肩をポンポンと軽く叩き、安心させる。
「つっても、この2人の場合付き合っててもわかんなくね?」
「あー、それはわかるかも」
もう付き合ってるようなもんだしねーと、物静かに見えて結構うるさい図書委員、田原佐奈が言った。
「ちょっとー、付き合ってないって」
あはは、と笑いながら声をかける。
「そーそー、ただの親友だもんねー」
ちょっと声のトーンが下がった自称親友が、ニコニコしながら言った。
「おー?親友って思ってもらえてるんですねー!」
柔らかいほっぺたをツンツンしながら紅葉に言う。
「くぉらー!もう1人の親友を忘れるなぁー!」
「「ぎゃー!」」
背後から抱きつこうとしてきた瑞樹に、わざとらしい悲鳴を上げながら2人で逃げ回る。
「まーてー!!」
「ダレカタスケテー!!」
「棒読みやめい!!!」
ギャーギャーと走りまわる私たちを見て、みんな大笑い。海外からの転校生で、おちゃらけ者のタイガが一つネタを言ってまたまた大笑い。
私たちの所属するクラス、1年D組は、そんな楽しいクラスだった。
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