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ホームルームの時間。
少し太めの男性体育教師、郁美先生が担任の1D。
郁美先生は朝から元気が有り余っている人だから、朝の会の出席確認は、みんな元気よく挨拶をするのだ。
だけど、その出席確認がものすごく特徴的で……。
「えーと……男子、安室風磨!」
「はい!」
「どうだ、母ちゃんの様子は?」
「え、別にいつも通りですけど」
「でも、芸能界引退しただろ?」
「いや、うちの母さんは普通のパートですよ!」
みたいな感じで、いっつも一人一人に少しだけコントが含まれる。
「小野浩介!」
「はーい!」
「こないだ西小に行ってきたよ」
「あ、そうなんすか」
「んで、元6Bの担任、丸岡先生に会ってきてさ、小野の6B時代どうでしたか?って聞いたんだけど、なんて答えたと思う?」
「いやー優秀でしたよー!俺は!なんで、もっかい帰ってきて欲しいほどの優秀さでしたね、でしょ!」
「いや、小野のことはもう忘れたいです、だったよ」
「えー!!!なんでー!!!?」
クラス1番の変人、小野浩介がナルシストじみたことを言い、教室内が笑いに包まれる。
そりゃそうだろー、やら、当たり前、なんて言葉が飛び交う。
そんな感じでどんどん出席確認が進んでいき、1時間目の時間が迫る。
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