epilogo

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  ヤイヤイ五月蝿い外野を余所に、るうは画面から目を反らさない。指の動きから察するに、拡大したり縮小したり。ええもう夢中。 そしてスライドした指先がビクッと止まったかと思うと、表情がフニャフニャにとろけた。それはもうまるで[ピ───]を超えるようなとろけっぷり。 「ああ、それが今回完成した衣装だよ。瑠宇好みだろう?」 るうはとびきりの、キラッキラの笑顔で僕に画面を向けた。 「制服ばっかりですっ!!」 発声の前に『溜め』はないんですかそーですか。 「それからね。パリが終わったら、日本でも展覧会が決まったんだよ。色々な作家とのコラボレートでね」 「いつ?」 不安そうなるうの髪に、ルイはキスをした。 「夏には帰ってくるよ」 「夏」 「そう、な」 「原田くん人形に夏には逢えるんだね!ううん!!原田くん!私パリに行く!」
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