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(えっ? それだけ? まあ…悩んでたけど…おばあちゃん……)
私はぼやくように言葉が口が出ていた。
「気分転換って…こんな世界にいきなりきたら、転換しまくりの頭の中回りまくりだっての~」
どっと疲れが出た私に、真剣な表情を見せるミリアさんが訊ねてきた。
「あなたのお祖母さんって、どんな人なの? 異界の移動が出来るほどの人ってそうそう居ないはずだけど。」
私はミリアの疑問に答えた。
「お祖母ちゃんはごく普通の…礼儀と躾にうるさいけど優しい人よ。そうですね、人と違うのって髪の色ぐらいよ。でも、イギリス生まれって言ってたから、あっ…嘘だったのね。」
「ねぇ、どんな色してるの?」
ミリアがなぜそんなこと聞くのか判らなかったけど、私はきれいな銀髪だと答えた。
ミリアはおじさんとおばさんを見て、なにか考えていた。
(モカも異界に行く魔術が使える人は少ないっていってた…よね。お祖母ちゃんって…)
「あっ、そういえばおじさんもおばさんも銀髪だからお祖母ちゃんの親戚って聞いて納得したのですけど、私も親族って事になるのでしょうか?」
おばさんが私を見て、そうよ。って答えて、
「私の祖母と、ナオちゃんのお祖母様の母親が姉妹なるの。それで、私の父親とナオちゃんのお祖母様が従兄妹ってことになるんですよ。」
(ん~よくわからない…)
「じゃあ私はここでのんびりと、お祖母ちゃんまってればいいのかな。」
(迎えにきてくれるし…10日か~)
安心感とちょっと残念な気分になっている私に今度はおじさんが答えてくれた。
「それなんだけど、なおちゃん。ちょっと行って来てほしいところがあるんだよ。」
どこか悲しげな表情でおじさんは言葉を続けた。
「行かなければならなくなったって言った方がいいかな。」
おじさんは私の膝でクッキーを食べながらお茶を飲んでいるモカを見つめていた。
おばさんもミリアさんもモカを見つめていた。
(そうだった。モカが襲われたんだった。私のことはもういいけど…モカが。)
私はおじさん達に聞いてみた。
「モカ…また襲われるよね? 私じゃ守れないし、帰っちゃうし…どうしたらいい? 私になにかできる?」
モカが自分のことの話になったのでクッキーを食べるのをやめて私の方を見ている。
隣に座っているミリアが私とモカを見詰め直すように視線を向けて、
「ねえ、その子って精獣だよね? おじ様からいろいろ聞いていたんだけど、あなたはその子と契約したの?」
私はモカと出合ったときの事をみんなに話した。
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