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「服のデザインやお菓子や料理の才能。公正な考え方で町の人々を繋ぐ才能。何にも縛られない人たちだから出来る才能ですね。」
「人間の変化はこれくらいで、次は精霊との関わりについて教えますね。」
テーブルの地図に小さなカードを並べていった。竜の絵が描いてある。
「モカ達のことだね。」
気分が晴れた私は、モカを頭に載せた。
「はいです。」 モカも興味があるらしく、テーブルのカードをじっと見ていた。
ナムルさんが置いたカードは神殿がある場所に置かれていた。全部で6枚。
「降り立った精霊神たちはそこに住む人間たちに力を授けるため化身となる竜を置いていったのです。 そして人間は竜から力を貰っているのです。」
地図の上のオルトリアスの場所に2枚のカードが置いてあり私は気になって聞いてみた。
「ここにも竜がいるのですか?」
「はい。いますよ。この銀礼の神殿の地下に銀竜ナセラ様が居ますよ。」
「あ!」
置かれたカードの絵が私の持っているファルトカードの竜とよく似ているに気付いた。
「どうしたの?」
驚いた私はファルトカードにその竜が入っている事を話した。
「そうですか。そのカードを大切にしてくださいね。」
ナムルさんがモカを見つめて話を進めたので私は気になった事を後で聞くことにした。
「モカさん達は聖獣と呼ばれています。精霊竜が全ての人達に力を与えるのに対して,精獣は一人の人間だけに力を与えます。強大な力を。」
頭の上でモカがじっとしているのが判った。
(緊張してるのかな?)
「契約についてはもうご存知と思いますから省略してもいいですね。聖獣になると人との関わりを極端に持たなくなり、聖獣は大地の守護者として気に入った場所にずっと住んでます。」
ナルムさんがまたカードを地図の上に置いていった。
見慣れた絵のカードが1枚大陸のほぼ真ん中にある山の近くに置かれていた。
「聖獣シルレンですよね。ここにいるのですか?」
「はい。ここに今もいると思いますが、見た人は遥か昔の事なので判りません。ただ、この辺りは強い精気で守られているのでまだ居ると思います。 聖獣はその土地と自然を闇から守るのですから。人に代わってね。」
数十枚のカードが大陸・海・島といろんな場所に置かれていた。
「モカは、どこに住むのかな?」
私は遥か未来に聖獣になったモカを想像してみた。
「モカって聖獣になるとどんな姿になるんだろうね。」
頭の上でモカがモソモソしている。
「わかんないです。契約者が創造した物に近い姿になるのです。」
「そうなんだぁ。」
(私だったら可愛いのを願うかな。)
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