ミレナの加護

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「それに、なおは身内扱いだし、食事も家族の部屋で行なうから。この階を守備兵の方々が守ってくれるから。」 「そっか。」 私は身内扱いと言われて、緊張が解けた声で答えていた。  そんな私を見て、ティオは嬉しそうな笑顔をしている。  階段近くの扉が開かれていて、私はティオと一緒にその部屋に入っていった。  12畳くらいの大きさがある部屋の真ん中には長細いテーブルが置かれていた。  対面で食事するのに丁度いい幅で、片面5名ほどがゆったりと座れそうな長いテーブルに白いテーブルクロスがかけられている。  テーブルには片方1名、対面に2名の椅子と食器がすでに並んでいた。  私達以外に部屋に居たのは結構年輩のおじ様風の黒髪の執事だった。  ティオと私を2つ並んだ椅子に招いたのでモカを抱いたまま、私は席に着く。  私は改めて部屋を見渡した。  部屋の奥は大きな窓があり、夜空が見えている。天井には大きなシャンデリアが二つありそのシャンデリアの石一つ一つが光っている。  入ってきた入り口近くの壁に、もう一つ扉があった。 (派手じゃないって言えばそうなるのかな? でも私にとってはおっきいのよね。)  田舎者視線で見渡していると、開かれている扉からルミナ王妃が私達と同じようなドレスで入って来た。白1色でまとめられたドレスで胸元には綺麗なネックレスが光っている。  執事さんが椅子を引き、私達の前にルミナさんが笑みを浮かべて席に着いた。 「おまたせしました。それじゃ食事をしながら会話を楽しみましょうか。」  そう言うと執事が入り口近くにあった扉を開けた。いつの間にか入り口の扉は閉ざされている。  いい匂いと一緒にコックさんらしい男性がワゴンを引いてルミナさんの所に来た。執事さんも奥から別のワゴンを引いて、私とティオの後ろに戻ってきた。  ほどなく食事が並べられる。  ルミナさんとティオが片手を胸に当て、目を閉じたので、私も真似をした。モカは膝の上でずっとまっている。 「では、いただきましょう。」  ルミナさんの言葉で私は目を開けモカに小さな声で 「モカ。おまたせ。」  そういって私はモカをテーブルの上に下ろす。  ティオが執事さんにお皿を1枚用意させていた。  私はティオにお礼を言って、モカの前に皿を置いてくれた執事さんにもお礼を言った。 「モカ。食べたい物、言ってね。切ってあげるからね。」 「うん。それほしいです。」 ナイフで小さく切り取った料理をモカのお皿に置いた。  それから、私もお皿に並んだ美味しそうな料理を口に運んだ。
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