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アラーム
いつからだろう?
天に煌めく彼らが嫌いなったのは?
彼らを奴等と呼ぶようになったのは?
早朝、聞き慣れたアラームが鳴っている気がする。
目覚まし時計からのではなく、政府からの警報アラームが。
しかし初めて時には驚いたが、今日は鳴るのかという程度。
鳴るのに慣れて感覚がマヒしているようだ。
少し前の時代。
近く国から「飛翔体」とやらが発射された時の「Jアラート」を思い出す。
通り過ぎてから鳴ったあれだ。
初めて聴いた時は恐怖を覚えたが、そのうちにうるさく迷惑と感じるようになった。
自分には関係ないとー
などとボンヤリ考えていたが、ここで目が覚める。
意識が覚醒すると警報が止まる。
ある意味機械に「起きた」と認定されたともいえる。
全く便利な時代になったものだ。
素早く身支度を整え、軽く朝食を採る。
愛車を駆り現場に向かう。
まだ日の出前だが奴等には関係ない。
煌めく姿に隠された恐ろしい力を持った奴等には。
だか奴等にも少し同情する。
奴等もつくづく運が悪いと。
今日は俺のターンだ。
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