夜7時、窓の景色

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もう原稿をする気分でもなくなったので、パソコンを閉じてコーヒーを飲むことに専念する。 …時間的にもう一杯頼むべき頼まぬべきか。 最初からなにかデザートと頼んでおくべきだったと後悔する。 なんだか今日はいつもより早くコーヒーがすすんでしまった。 少し悩みながら噴水を見ていると、また待ち人か増えた。 ー…あ。 僕はほんの少し残っていたコーヒーを流し込み、急いで荷物を整理すると、お会計に飛び込んだ。 「ありがとうございます。ー…今日は、いつもより早いんですね」 「ー…あぁ、そうらしい」 「また、明日もお待ちしております」 喫茶店の店員はそういって笑った。 ー…扉を開けて駆け足で噴水に向かう。 待ち人をずっと眺めている僕も。 「ー…お待たせ」 誰かを待っているだなんて、本当、偉そうなことを言えたものじゃない。 「うん。帰ろう」 end
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