キョンキョン

　キョンキョンや豊原功補みたいに、中年になっても素敵で、いくらでも恋愛できそうな人は勿論のこと。え？こんなオバサンが？とか、えぇ～？このヨボヨボじいさんが？というような人でも、実はチマタに恋愛はあふれている。どこのスーパーのバックヤードでも、老人デイケア施設でも、密やかな恋愛は頻発している。つまりその気になれば、不倫や恋愛なんて誰でも簡単に拾えるものなんである。相手が変わればそりゃ新鮮だし、世の中はバラ色に見えて、愛によく似た優しい感情がわき上がってくる。「恋に落ちる」とはそういう異常な脳の状態だから。

けれど、そんなもの、私はまったく欲しいと思わない。

「人倫に照らし合わせて」言ってるんじゃない。
誰もが簡単に手に入れられるものなんか欲しくない、という意味である。
女の大部分が元来心の奥底で欲しいと思っていて、でもなかなか手に入れられないもの。私はそれしか欲しくない。

恋愛し始めの１年くらい、脳内に大量放出される天にも昇るような「愛」に似た優しい感情は「愛」とは似て非なるモノだ、と私は思っている。