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怖れていた余命の日が過ぎた。
なんだ、やっぱり冗談だったのではないかと思った。
その一方でやっぱり本当かもしれない、そうだとしたらあとどれくらい父と一緒にいられるのだろうかと不安になった。
せめて…
せめて、桜の花が満開になるまでは生きていてほしい。
神様、仏様、誰でもいいから叶えて下さい。
授業はきちんと聞くし、苦手な数学だって良い点が取れるように頑張る。
部活だって今まで以上に力を入れるから。
だから、どうかお願いします。
まだ連れて行かないで。
……毎晩祈ったのに。
そんな祈りも虚しく、桜が咲く前に父はこの世を去った。
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