僕の心が君に…

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僕の朝はいつも親父の怒鳴り声から始まった。 「おい、ヒロキ」 「あぁ~ぃ」僕の寝言のような声にいつも親父はキレる。 「あぁ~い、じゃねょ。このクソガキ」 「朝からキレんなよ、うぜぇなぁ」 「親にうざいだぁ?ぶっ殺すぞ」 「はいはい」まぁ、これがいつもの通りの会話だ。逆にこうじゃないと、朝って感じがしないのがまたなんとも。 ウチの家は、父、母、姉、俺の4人家族だ。父は昼から夜遅くまで仕事をしている。確か工場関係の仕事だった気がする。母は、家に大体居る。姉は、大学生で大学に通っている。ドコの大学かは忘れた。そして、俺だ。俺は、高校生だと思う。自分としてはただ暇潰しにしか考えていないし、何か求めてる訳でもない。多分。 いつものように、学校に行く準備をしていると父が言った。 「お前、今年で卒業だろ?」「あぁ、多分な」 「出たら何かしたい事とかあるんか?」 「さぁな、知らねえ」 「だろうな。気をつけて行ってこいよ」 「あぁ」父が僕の事を聞くのは、多分この日が初めてだった。 学校は、家から10分位の所にある。一人で歩いてると、いつものように声が聞こえた。 「ヒロキく~ん」 「はぁ」つい溜め息が出るこの声の持ち主は。
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