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同じクラスの前橋サユリだ。
「おはよう」
「あぁ」
「今日もいい天気だね」季節は冬を過ぎ、春に染まりつつある。とてもいい季節だ。特に季節に興味がある訳じゃないけど、この季節は好きだった。のかもしれない。
「もうすぐ、桜が咲くかもね」
「だな」
「桜咲いたら花見とか行くの?」
「行かない」
「私は行きたいなぁ」
「そう」
いつもこんなやりとりだ。彼女が何故、毎朝話しかけてくるのか分からない。彼女が俺に何を求め、何のために話しかけてくるのか。今の僕にはわからなかった。
学校に着くと、俺はいつも一人で居る。学校の連中には興味を持たれない。元々何にも興味がないんだけど、関わる気にはなれなかった。
学校も終わり。下校の時間になった。いつものように、一人で学校を後にする。どうせ、あいつが来るんだけど。
「ヒロキく~ん」ほら、やっぱりきた。全く疲れるな、ホントに。
「明日休みだね?」
「あぁ」
「何かする予定あるの?」
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