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「ないけど」
「ヒロキくんは、休みの日は何してるの？」
「何かしてる」
「何かって？」
「さぁ、わかんない」前橋は、こんな会話してて楽しいのか？女というのは、つくづく分からない。
「ヒロキくんって、不思議な人よね」
「どこが？」
「雰囲気とか」
「俺からしたら、前橋のが不思議だけどな」
「なんで？」
「こんなつまんない俺と、なんで一緒にいる？」
「楽しいから」
「どこが楽しいんだよ？」こいつと話してると調子が狂う。
「うぅ～ん、全部かな」
「はぁ？」
「ヒロキくんって、鈍感？」
「さぁな」前橋が何をしたいのか分からない。全く疲れる奴だ。
「やっぱ、鈍感なんだ」
「だから何が？」つい、口調がキツくなった。謝ろうと思ったが、彼女の言葉が遮った。
「あなたの事が好きなの」突然の事に何も言えなかった。
「私、ヒロキくんの事好きよ」
「ふざけてんの？」こいつが何を思って、こんな事を言ってるのか、分からない。
「やっぱ、鈍感」そう言いながら、彼女は小さく笑った。
「バカにしてんの？」
「もう、鈍感すぎ」言い返そうとした時。
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