水曜の雀

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 * * *  気になって気になって仕方がなかった僕は、なんとその日、巣に戻らなかった。そしたらやっぱり、その夜、気味の悪い女からあの人に電話が入った。窓が開いていたので、話は丸聞こえだ。 「由亜ちゃんどうしたの? え、つけられてる? 大丈夫? 警察に電話しようか?」  あの人は、とっても心配そう。嫌な予感だ。嫌な予感だ。 「うちに? ああ、確かにそうだね。うん、大丈夫。住所を送るから、人通りの多い明るい道を通って来てね」  十分も経たずして、気味の悪い女は疲れた表情でやってきた。僕はそっと窓に近づく。 「夜遅くにすみません」 「いいのいいの。それより不審者の顔は見た?」 「怖くて見れなかったです」 「そっかぁ。そうだよね。怖いよね」
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