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「雀に餌をやってるんですか?」
「実は日課なの。ここに住み始めてからずっと続けてる。初めは旦那も一緒にあげてたんだよ。でも、いつの間にか私だけになって、そのうち旦那が単身赴任」
私は、昔を思い出しながら話した。私も孝志も動物が好きだったが、共働きなのでペットを飼うのは難しかった。だから庭にくる雀に餌をやることが、二人共通の癒しとなっていた。
「雀とはいえ、野生の動物に餌をやるのは、あまり良くないのはわかってるんだけど。ここ最近、ずっと同じ雀が来てくれるから、ついかわいくって」
「同じ雀だってわかるんですか?」
「たぶんね。仲も良さそうだよ」
「仲良く見えて、実は餌を奪い合ってたりして」
由亜がにやっと笑い、おどけた声を出した。私はその姿に安堵感を覚えた。由亜は見かけより強いようだ。
「もしそうでも、一緒にいるだけ羨ましいわ」
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